愛犬ボストンテリアのあむを、遊び心満載で描いた1枚。本作《ビリビリドック あむ》は、雷が大の苦手のボストンテリア「あむ」の恐怖と個性を、ユーモラスかつポップに描き出している。背景を覆う鮮やかな黄色と、目に走る稲妻のモチーフは、雷への恐怖が極限に達した瞬間のあむの「らんらんとした眼差し」を象徴的に表現している。
ユルくも洗練された線のタッチと、グラフィック的な色彩の対比は、愛犬の一瞬の心理を捉えると同時に、見る者に不思議な親近感を呼び起こす。本作は、ペットと人との間に生まれる感情の共鳴、そして「かわいさ」と「こわさ」が同居する小さなドラマを、軽やかに愛情たっぷりの眼差しで記録している。
Curators

Ayane Oura
大浦 彩音
1994年、長崎生まれ長崎育ち。福岡在住。
九州大学 21世紀プログラム卒業
九州大学 芸術工学府クリエイティブデザインコンテンツコース 修了
大学、大学院では美学と教育学を中心に学び、学芸員資格を取得。
現代アートやアートによる社会包摂のアプローチについて研究と実践を積む。
キュレーション作品
本作《あむスタイル》は、作者の愛犬であるボストンテリアの「あむ」の日常における一瞬の表情を、愛情とウィットに満ちたタッチで切り取った作品である。ピンクの背景とターコイズブルーの線画という大胆な色彩設計は、対象の可愛らしさを強調すると同時に、ポップアート的なユーモアを醸し出している。
作品に描かれているのは、おやつを前にして満面の笑みを浮かべる「あむ」の姿。普段は少し不貞腐れたような表情の持ち主だというあむが、「食欲」というシンプルな喜びによって一変する様子は、人間にも通じる純粋なリアクションである。水玉模様の洋服や、舌を見せて笑う構図からは、特別な存在であるあむに宿るキャラクター性や、飼い主との深い関係性までもが垣間見える。
この作品は、ペットと暮らす何気ない瞬間の中にある「物語」を見逃さず、軽快かつスタイリッシュに表現している。
10歳の作品。両親の携帯を借りてメモ帳機能を活用し指で描いている。スマートフォンの画角をそのまま利用した縦長の長方形が、そのまま水深の表現に活かされていることが特徴的。背景の鮮やかなグラデーションは、海にも空にも見え、海の生き物たちを一層幻想的に魅せている。
クリオネには胸にハート型が描かれており、作者は「クリオネには何だか心があるような気がした」と話す。本作は、クリオネが自由に泳ぐ様子、また表情あるメンダコなど興味の赴くままに描かれている。
10歳の持つ「かわいい」世界観を、両親のスマホという小さなデジタル世界のキャンバスで表現した、現代の子供のクリエイティブである。
10歳の作品。両親の携帯を借りてメモ帳機能を活用し指で描いている。スマートフォンの画角をそのまま利用した縦長の長方形が、そのまま水深の表現に活かされていることが特徴的。背景の鮮やかなグラデーションは、海にも空にも見え、海の生き物たちを一層幻想的に魅せている。
クリオネには胸にハート型が描かれており、作者は「クリオネには何だか心があるような気がした」と話す。本作は、互いに見つめあうクリオネや、表情のあるメンダコが親子や兄弟のような大きさ違いでえがかれており、愛情のようなものもうかがえる。
また背景はあたたかなグラデーションで彩られ幸福な空気が満ちている。
10歳の持つ「かわいい」世界観を、両親のスマホという小さなデジタル世界のキャンバスで表現した、現代の子供のクリエイティブである。